~速報~ ロックダウン緩和@フィリピン ~BGCのモールが動く!~

 2020年6月1日、いよいよフィリピンはメトロ・マニラもコミュニティ検疫がMECQからGCQへと一段階緩められることになりました!正式発表は5/29でしたが、1週間ほど前から事前情報が流れていたので、あちこちで準備を始める動きがありました。

 コミュニティ検疫とは、ざっくり言っていわゆるロックダウンのことで、フィリピンでは Community Quarantine (コミュニティ・クゥオランティン、オにアクセント) = CQ と呼んでいて、住民の活動の何をどれだけ制限するかによっていくつか段階的に種類があるんですね。

a chart of rules of MGCQ, GCQ, MECQ and ECQ
インクワイヤーネットさんがわかりやすく表にしてくれたCQ(コミュニティ検疫)の区分。
<制限がキツめ> ECQ → MECQ → GCQ → MGCQ <制限がユルめ>
引用元は👉 https://twitter.com/inquirerdotnet/status/1260083604815675392
更に詳しくはフィリピン政府のガイドラインをどうぞ↓
👉https://www.covid19.gov.ph/ecq-gcq-guidelines/

 ともあれ、このMECQからのGCQへの移行での一番の変化は、制限のかかっていた経済活動が大幅に緩和されること。なので緩和の対象となる業界の方たちはてんてこ舞いです。長い夏休みまだまだあるからとのんびりしていてふと気づいたら明後日始業式やん!みたいな感じもあるでしょうか。3/15から始まった世界最長と言われる 71日間のロックダウン生活でしたからね。

 というわけで、長い自宅検疫期間中は7~10日に一度の生活必需品の買い出しに行く以外はお家で大人しくしてきた自分も、二か月半ぶりにモールの中を探検してきました。場所はフィリピンのハイエンドな街、ボニファシオ・グローバル・シティ、BGCのアップタウン・モールです。

line at the entrance of Uptownmall, BGC
モール北エントランス。写真の左手には車寄せがある。

 モールの北エントランスのガラス沿いには2m間隔に椅子が配置され、二列目用の足元ステッカーもあります。紺色の制服はガードマンでしょうか。迷彩服を着ているのはミリタリーかもしれません。そして並ぶ客の行く先にはなにやら日本の証明写真機かプリクラのような謎のブースが…。

a mobile booth with a thermometer, hand-sanitizer and sanitizing mist
“SMART MOBILE TEMPERATURE DISINFECTION CHANNEL”と、文字が。

 どうやら可動式検温消毒ボックスということらしいのです。ドキドキしますが、ここを通らねばモールの中へは入れないようなので思い切って入ってみますと…。

a hand-sanitizer and an automatic thermometer inside the booth
可動式検温消毒ボックス内部。ボックスの中は真ん中のビニールカーテンで前後の二部屋に仕切られている模様。

 なんと、自動で検温するセンサーとその下には手の消毒液が!赤いシールの中央の丸い穴がセンサーで、上のスクリーンに温度が表示される仕組み。更にその上にあるのはアラートでしょうか。おそらく37.5度以上を検知すると光ったり音が鳴る仕組みなのでしょう。ボックスの外には係員がいるのでチェックしていると思われます。

 第一の部屋の先には厚手のビニールカーテンが垂れ下がり、その向こうは何らかのミストが充満しているよう。不安。不安でしかない。…。

the mist-sanitizing-room parted by vinyl curtain
可動式検温消毒ボックス内部。ビニールカーテンの先にはミストが充満している。

 あまりにも不安で進めなかったので、いったんボックスの外に引き返して近くにいた迷彩服の女性に尋ねてみる。ミストの中身はアルコールなどが入った消毒用の霧ですとのこと。…。かつて日本で加湿器からマイコプラズマ肺炎だったかレジオネラ菌だったかが広がった事例を記憶から払しょくするかのように頭をぶるぶると振ってから、思い切って進んでみました。

inside of the mist-sanitizing room of the booth
可動式検温消毒ボックス内部。二部屋目の消毒ミスト部屋の中。

 中はまさに五里霧中w。手を伸ばせば行く先にもビニールカーテンが触れるので、押し開けると出られました。ミストで見えない中、足元に段差があるので気を付けなければいけません。

a foot-sanitizing sheet at the entrance of Uptownmall, BGC
可動式検温消毒ボックスを抜けると足元の消毒用マット。

 可動式検温消毒ボックスの洗礼の後は足元の消毒マットで靴底を清潔にして、ようやくいつもの金属探知機を通ることが許されます。その先にはゴム手袋にマスクとフェイスガードをしたガードマンが笑顔で出迎えてくれました。MECQ下の外出には年齢制限があったので、20才未満や60才以上と思しき方々は引き止められてQuarantine Pass や ID を確認されていました。

a security guard at the entrance of Uptownmall, BGC
アップタウン・モール入り口のガードマン。いい笑顔です♡フィリピンの人達は撮影に協力的なところがとてもいい感じ。

 やっとのことで入店です。開いていたお店や開店準備をしている様子だったお店などさっと紹介していきましょう。

UNIQLO at Uptown Mall BGC
ユニクロが開きましたよ♪2F。

 ユニクロは開いています。右側に一か所入り口があってガードマンが立って検温と消毒をしてくれます。足元には社会的距離をとって並ぶための黄色いステッカーがおよそ2m間隔で貼られているのが見えますか?

Japan Home Center NIHONJOH at Uptown Mall, BGC
日本の百均、こちらでは66ペソ均の日本城も開いています♪2F。ユニクロの隣。

 

 とりあえず家の買い物を済ませた後に地下から4階までの気になるスポットを足早に見て廻りました。少し前MECQになる前は2階以上に上がるエスカレーターは止められていて立ち入ることが出来なかったようなのですが、今回は4階までちゃんと行けるようになっていました。

SBARRO and BINONDO opened on 05/26/2020 at Uptownmall, BGC
SBARRO、BINONDO。間隔をあけて置かれた椅子。床には立ち並ぶ人がソーシャルディスタンスをとれるように間隔をあけてステッカーが貼ってある。4Fフードコート。

 分厚いシカゴピザのSBARROとフィリピン風ランチのお店BINONDOと手前のジュース屋さんも開いてますね。中央付近のサラダ丼屋さんも開いていました。このジュース屋さんから続いているオフィスビルもたくさんの人が出入りして活気づいていました。お仕事が復活したのでしょうかね

CoCoICHIBANNYA and PeeperLunch opened on 05/26/2020 @ Uptownmall, BGC
CoCo壱番屋とペッパーランチも開いていました♡すべてのお店がテイクアウトのみです。

 これらを撮影したのが5/26なのですが、三日後に行くとCoCo壱の方は閉まっていました。まさに6/1以降に期待がかかりますね。

 いつもはこの辺りはフードコートなのでテーブルと椅子が所狭しと並んでいるのですが、イートイン不可ということで、椅子とテーブルは撤去されていました。

chairs put away and coverd meaning No Eat In at cafeteria at Uptownmall, BGC
イート・インできませんよ、ってことでまとめてカバーをかけられている椅子たち。椅子の向こうに茶色いTの字のように並んで見えるのは積み上げられているテーブルの脚。

 写真にあげてはいませんが、レストランや喫茶店以外のお店でいうと地下では調理用品のお店、1階はH&M等アパレルのお店、2階から上ではトイザらス、ペット用品、PCグッズのお店などがすでに開けられていました。6月に入ってGCQが始まれば更に開くお店も増えると思われるので、楽しみです。

Tiger Sugar at Uptownmall, BGC
1F。タピオカの世界的人気店タイガー・シュガーも開いています。
starbucks shows open and closed at a time
4F屋上のスターバックス。左のドアには “WE ARE OPEN”。 右のドアには “CLOSED”。いや、どっち!?

 ここでアップタウン・モールの建屋の構造のお話を少し。実はアップタウンモールは建物の造りがユニークで、敷地の角に夜になるとライトアップされる噴水を配し、それをL時で囲むような形になっています。さらにそのL字部分が2F~4Fまで階段状になっていて、噴水に面したエリアはレストラン街を擁しています。各階に軒を連ねた種々のレストランの外側、噴水サイドには屋根がなくオープンエアな空間で、そこに店毎にテラス席を構え、この封鎖期間でさえなければ、噴水の水しぶきの音やひんやりとした空気感、夜には次々に落とす色を変えるライトアップを感じながら飲食を楽しめる場所となっています。

a fountain lit up at night @Uptownmall, BGC
往時の噴水。音楽に合わせたライトアップ+炎のパフォーマンスは感動と迫力に溢れていた。
fountain at Uptownmall a little filthy due to 2-months no operation under lock-down
71日間使われることがなかったと思われる噴水。水は濁り少々苔むした感が長かった封鎖期間を物語る。

 この複雑な構造のモールを縦横無尽に行き来できていたのは封鎖前のこと。GCQに向かう現在でも行き来できる出入口は制限されています。特に外のテラス席のあるレストランへは、今のところ4Fは中央当たりの出入口のみとなっているので注意が必要。

a door to the open-air area on 2F, 3F, &4F with foot stickers & shoes-sanitizing mat
2F~4Fに広がるオープンエアースペースへの出入口は5/29現在は4F中央の一か所のみ。建物に入る時には靴底の消毒とガードマンによる検温が。

 モール全体の出入口については、入り口は冒頭の北口、出口は西口のそれぞれ一か所ずつに分けられています。この新しい出口に関しては、床にテープで EXIT と貼ってあるので迷うことはないかと思います。そして西口から出ても車寄せまではくるっと角を曲がるだけなのでそんなに大変ではありません。

a floor sticker guiding to EXIT at Uptownmall, BGC
1F出口への誘導ステッカー。入り口と出口を分けて混雑を緩和している。

 今回買い物のついでに急ぎ足で駆け抜けたモールですが、とても楽しかったです。二か月半ほぼ家の中に籠っていたせいもあって、速足で歩けば運動になります。明るくて広い空間、美しく設計された構造物、センスを活かして配置された装飾物がしつらえられた空間、見て楽しみ、気持ちもリフレッシュできます。またこうして買い物をして歩けば、小さな消費ながらも経済に貢献できます。

a heart-shaped chocolate cake with white chocolate hello kitty on the top
2FにあるHello Kitty Cafe のチョコレートケーキ。撮影は2018年。いわゆる “映える” スイーツと店内のしつらえが So Sweet なお店 ♡ 残念ながら 5/29 現在は Closed でした。

 6/1の GCQ に向けて解放感と躍動感にあふれるフィリピンはメトロ・マニラですが、検疫は緩和されるとはいえ、フィリピンの新規感染者数は毎日増え続けています。つまり、今回の検疫緩和は、感染を封じ込めた結果のものではなく、経済の耐力が限界にきた末の、いうなれば仕方なくの緩和です。活動する人が増える分、感染しあう可能性が高まるということでもあります。

poster says don't touch your eyes, nose & mouth
↑これ、大切。↑

 これまで以上にしっかり、そして繊細に『感染しない・させない努力』をしていかなくてはなりません。幸いにも、フィリピン政府はこれまで71日間をかけて私達にいかに検疫するかという方法を習慣づけてくれました。社会的距離・眼鏡・マスク・手袋・手洗い・消毒の習慣を新しい日常に取り込み、時にはモールで体と心と経済を動かしながら、新しく始まる GCQ 生活を楽しんでいこうと決意しました。

nirurebynirure
  • nirurebynirure
  •  初めての海外暮らしとなるフィリピン。夫以外知り合いのいない暮らしをゆるっと満喫中♡ そんな現役・駐在員妻、主婦(無職)、英語はカタコト、な私が見聞きし、飲んでは喰い、出掛けては帰ってきた事など、皆さまが知っていたり知らなかったりするフィリピンをおすそ分けします♪
     ☆2018年~フィリピン駐在となった夫に帯同。
     ☆夫婦二人でメトロ・マニラに暮らす。